世界が平和でありますように
いいねの波が渦巻く場所で
怒りは火のように拡散され
悲劇はスクロールの手を止めさせる
でも『ありがとう』とつぶやく声は
アルゴリズムに拾われることもなく
誰にも気づかれず
沈んでいく
それは静かでやわらかく
派手さも刺激もないけれど
ひとりの心をじんわりとあたためる
見えない灯火のようなもの
欲望は空虚を埋めるけれど
愛と感謝は
空虚を愛することから始まる
光らない言葉たちを
それでも書きたいと思う夜が
ここにある